こんな方におすすめ
- 契約社員はデメリットしかないという評判を見て不安
- 正社員が決まらずに契約社員を検討しているけど悩む
- 契約社員が向いている人の特徴が知りたい
正社員で就職できれば良いものの、企業によっては契約社員しか募集しておらず、就職すべきか悩みますよね。
もしかしたら、正社員転職をしているものの就職先が決まらずに、契約社員を検討しているかもしれません。
たしかに正社員に比べるとデメリットがありますが、人によっては正社員よりも契約社員の方が向いていることもあります。
ただし、特徴をきちんと把握して就職すべきか判断することがおすすめですよ。
ここではキャリア相談実績100名以上のキャリアコンサルタントなべけんが、契約社員はデメリットしかないと言われる実態を解説します。
この記事で分かること
- 責任の大きな仕事をしたくない人は契約社員がおすすめ
- 正社員登用の可能性がある企業は契約社員がおすすめ
- 人間関係で悩みたくない人は契約社員が働きやすい
- 長期間を安定して働きたい人は正社員がおすすめ
- 企業との交渉が苦手な人は派遣社員がおすすめ
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デメリットしかないと言われる契約社員と正社員・派遣社員の違いとは
給与制度 | 昇給制度 | 賞与 | 契約期間 | |
正社員 | 月給制 | あり | 企業による | 無期 |
契約社員 | 月給制 時給制 |
企業による | 企業による | 有期 |
一般派遣 | 時給制 | あり・なし | 時給に含む | 有期 |
契約社員と正社員の違い
契約社員と正社員の決定的な違いは、雇用期間が決まっているかいないかです。
正社員は定年まで働くことを前提とした「無期雇用」の正規労働者であるのに対し、契約社員は契約期間が決まっている「有期雇用」の非正規労働者となります。
- 正社員:期間の定めがない正規雇用労働者
- 契約社員:期間の定めのある非正規雇用労働者
契約社員と派遣社員の違い
どちらも『期間の定めがある』という点は同じですが、違います。
契約社員は企業と直接雇用契約を結ぶ形態をとり、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶ形態です。
雇用主が『就業先の会社』か『派遣会社』かの違いですね。
契約社員はデメリットしかないと言われる理由7選
デメリットしかない理由
- 社会的信用が低い
- 雇用が不安定
- キャリアアップができない
- 昇給やボーナスがない
- 契約更新の保証はない
- 契約更新や条件交渉は自分で行う
- 転職を続けなければならない
社会的信用が低い
契約社員は非正規労働者です。
『非正規労働者=収入が途切れる可能性がある』と判断されるため、住宅や車のローンが組めない場合があります。
安定収入がずっと続く保証がなければ『この人に長期のローンを組ませるのは不安だな』と判断しますよね。
このように、契約社員は社会的信用が低いので覚えておきましょう。
雇用が不安定
契約社員は期間の定めがある働き方です。
『契約期間が終了すれば、また新しい仕事を探さなければならない』『業績悪化などで、契約を切られてしまう』といった不安が常にあります。
たとえば、企業の業績が悪化してきたとき初めに削減対象になりやすいのが契約社員です。
キャリアアップができない
契約社員は契約期間が決められた働き方のため、担当する業務に制限がある場合も少なくありません。
ひとつの職場に長く勤められないため、仕事内容も専門性の低いものがほとんどです。
スキルが身につかず、その後の転職でアピールしにくくなります。
昇給やボーナスがない
一般的に、契約社員のボーナスは支給されません。
会社側からすれば、契約社員を採用する目的は人件費を抑えたいからです。
昇給や昇格もないので、どれだけ頑張っても収入が上がる可能性は少なく、収入面では正社員と大きく差がつきます。
契約更新の保証はない
契約社員は必ず更新できるわけではないので覚えておきましょう。
契約更新は就業先との面談の上、労働者と就業先双方の合意で成立します。
しかし、就業先が合意しなければ契約更新はできません。
逆に、労働者からも断ることもできますよ。
契約更新や条件交渉は自分で行う
契約社員の契約は、全て自分自身で行う必要があります。
契約更新の際は昇給などの条件交渉も可能です。
契約の更新時期が近づいたら、就業先に更新の意志があるかどうかの確認も必要ですが、全て自分で行わなければなりません。
転職を続けなければならない
契約社員は長く働けるわけではありません。
契約社員であり続ける限り、契約期間が満了するたびに就職活動の必要があり、年齢が高くなるにつれて転職活動は厳しくなります。
特に正社員就職は、20代を境に正社員に移行できる確率が低下するので、将来的に正社員になりたい場合は早めに決断しましょう。
上記の表は非正規社員から正規社員に移行した年齢の割合を表しています。
男性 | 女性 | 男女計 | |
15歳〜19歳 | 37.3% | 29.9% | 29.9% |
20歳〜24歳 | 38.4% | 32.7% | 32.7% |
25歳〜29歳 | 40.1% | 25.5% | 25.5% |
30歳〜34歳 | 34.3% | 18.1% | 18.1% |
35歳〜39歳 | 29.8% | 15.5% | 15.5% |
40歳〜44歳 | 27.1% | 15.6% | 15.6% |
参照:労働政策研究・研修機構(JILPT)非典型雇用から離職した者の性・年齢階層別正社員移行率
男性は25歳から29歳までが40.1%、女性は20歳から24歳、男女平均で20歳から24歳が一番多く、それ以降になると正規雇用が難しくなっているのがわかりますね。
男女ともに30歳を過ぎると、正規社員に移行できる可能性が極端に下がりますので、正社員になりたい人は20代後半までの転職をおすすめします。
契約社員のメリット5選【デメリットしかないは嘘】
契約社員のメリット
- 仕事の責任が軽い
- 社会保険や労働保険に加入できる
- 異動や転勤がない
- すぐに辞められる
- 正社員よりも転職ハードルが低い
仕事の責任が軽い
正社員の仕事は、やりがいが生まれる場合もあれば、責任が重すぎてストレスになる場合もあります。
契約社員は雇用期間が決まっているため、正社員ほど責任の重い仕事を任されることはありません。
一人で抱え込みがちの人や仕事のプレッシャーに弱い人は、契約社員のメリットがあります。
社会保険や労働保険に加入できる
契約期間中は契約社員であっても、正社員と同じように社会保険や労働保険に入れます。
厚生年金や雇用保険も適用されますので、アルバイトやパートに比べると優遇されていますね。
ただし、契約期間が終了して仕事をしなくなったら、全てなくなるので注意が必要ですよ。
異動や転勤がない
契約社員は部署異動や転勤はないのが一般的です。
単身赴任や転居の心配がないため、子どもがいる方にも最適です。
これは大きなメリットですね。
ただし、契約書に勤務地が明記されていない場合は転勤の可能性もありますので、契約前に確認しておきましょう。
すぐに辞められる
契約社員は有期雇用のため、契約終了のタイミングで辞めるか続けるかを決めることができます。
働いてみて『職場の雰囲気が合わない』などのミスマッチは起こり得ます。
そのような場合『次は更新しない』という選択もあるので安心です。
正社員だとなかなかそうもいきませんね。
正社員よりも転職ハードルが低い
正社員は基準が高く採用されにくい場合がありますが、契約社員は期間や業務が限定されているため、採用されやすいのが一般的です。
正社員としての転職に比べるとハードルが低く、契約社員での転職はしやすくなります。
正社員ではなかなか入れない大手企業で働くチャンスもありますよ。
デメリットしかないが契約社員のほうが向いている人の特徴
契約社員が向いている人の特徴
- いろいろな仕事を経験したい
- 短期間でお金を貯めたい
- プライベートを重視したい
- 人間関係が苦手
- 転職を検討している
いろいろな仕事を経験したい
契約社員は契約期間が満了したら、別の仕事につくことが可能です。
1つの仕事に限定せずいろいろな仕事を経験して、自分にあった仕事を見つけたい人にはおすすめです。
契約社員を1つの手段と割り切って、選べる仕事の幅を広げられるのが特徴です。
短期間でお金を貯めたい
『お金を貯めて留学したい』『就職活動をしながら働きたい』などの明確な理由がある人には、短期間で働く契約社員のほうがあっています。
短期間でお金も貯まり、終業期間中は社会保険などもあるので、目的がある人にはピッタリです。
プライベートを重視したい
契約社員は勤務時間などの労働条件を決められるため、自分の生活スタイルに合わせて働くことも可能です。
仕事だけでなく、プライベートの時間もしっかりと確保したい人にはピッタリの働き方です。
柔軟な働き方ができるのは契約社員ならではと言えますね。
人間関係が苦手
『上司や同僚と合わない』などの人間関係で悩む場合もあります。
契約社員なら契約期間が満了すれば辞められるので、人間関係が苦手な人は契約社員が向いています。
転職を検討している
数年後には転職を考えている方は、契約期間が決まっている契約社員が向いています。
契約社員として働きながら転職活動ができるため、お金の心配もなくじっくり探せますね。
契約社員として働くときの注意点
契約社員の注意点
- 正社員登用制度があるか確認する
- 無期雇用契約転換後の条件を確認する
- 労働条件通知書の内容を確認する
- 今後のキャリアプランを考える
- 正社員転職のハードルが上がる
正社員登用制度があるか確認する
正社員を目指す人は、正社員登用制度や条件について確認しておきましょう。
正社員登用制度はあっても積極的に社員登用をしておらず、実績がない場合もあるので
制度の有無と過去の社員登用実績は確認が必要ですよ。
無期雇用契約転換後の条件を確認する
有契約更新の繰り返しで勤務が5年を超えた場合は、労働者から希望すれば期間の定めのない無期労働契約に切り替えが可能です。
ただし、あくまで『無期労働契約』に切り替えができるだけで、必ず正社員になれるわけではないので覚えておきましょう。
無期転換後の契約期間は『有期』から『無期』に変わりますが、就業先は労働条件を変更する義務はありません。
つまり、無期社員を正社員と同じ待遇にする必要はなく、契約期間の定めだけを有期契約から無期契約に変更すればよいのです。
無期雇用契約に切り替えた後の待遇については、しっかり確認が必要です。
具体的には次のような項目です。
- 給料の変更やボーナス、退職金はあるか
- 定年の年齢は社員と同じか
- 忌引きや特別休暇は適用されるか
- 各種手当は適用されるか
- 評価制度
労働条件通知書の内容を確認する
採用が決まれば労働条件通知書が交付されるので、仕事内容など労働条件の確認をしっかり行いましょう。
特に、契約期間や契約更新の有無、更新の条件などは曖昧にしてはいけません。
今後のキャリアプランを考える
契約社員は期間が決まっているため、契約期間満了後にどうするかを考えておきましょう。
たとえば『正社員になる』『契約社員を続ける』『転職する』などを入社前から決めておけば何をしなければならないかが明確になり、キャリアアップしやすくなりますよ。
正社員転職のハードルが上がる
契約社員は責任のある仕事を任せてもらえない場合が多く、キャリアが積み上がりません。
そのため、正社員からの転職者に比べ評価が低く見られがちで不利になります。
年齢が高くなるほど転職もしにくくなるので、正社員になりたい人は転職活動も同時に行うことをおすすめします。
契約社員はデメリットしかないと不安な人からのよくある質問
よくある質問
- 未経験から正社員になる方法はありますか?
- 20代は契約社員と正社員どちらがおすすめですか?
- 30代は契約社員と正社員どちらがおすすめですか?
- 契約社員の方が正社員よりも待遇が良いこともありますか?
- 派遣社員から正社員になる方法はありますか?
- 派遣社員から正社員になる方法はありますか?
- 契約社員よりも派遣社員が向いている人もいますか?
未経験から正社員になる方法はありますか?
契約社員でも『社員登用制度』がある会社なら、正社員になることが可能です。
過去の社員登用実績や条件を確認しましょう。
制度がない会社であれば、『紹介予定派遣』や『転職エージェント』の利用をおすすめします。
20代は契約社員と正社員どちらがおすすめですか?
『2年後に留学する』などの明確な理由がある人には契約社員がおすすめですが、将来的に正社員になりたいと思っている人は、初めから正社員をおすすめします。
理由は、年齢を重ねるにつれて正社員への転職が難しくなるからです。
20代なら契約社員からでも、正社員になれる可能性は高くなります。
30代は契約社員と正社員どちらがおすすめですか?
契約社員で働いても、契約が終了すればまた仕事を探さなければなりません。
20代なら次の仕事は見つけやすいですが、年齢が高くなると仕事はどんどん見つかりにくくなります。
正社員に比べて雇用のハードルが低い契約社員であっても、年齢が高い人は敬遠されます。
30代は将来を見据えて、契約社員に転職するより正社員への転職をおすすめします。
契約社員の方が正社員よりも待遇が良いこともありますか?
契約社員の方が正社員に比べて、待遇が悪い場合はあっても良いということはありません。
一般的に、契約社員の福利厚生などは正社員と同じでも、ボーナスや昇給はないという会社がほとんどです。
派遣社員から正社員になる方法はありますか?
派遣会社には『紹介予定派遣』という制度があり、はじめは派遣社員として働き、その後社員として直接雇用してもらうという働き方ができますよ。
プロのアドバイザーが、自分にあった仕事を紹介してくれるのでおすすめです。
契約社員と派遣社員の違いを知りたい人は【派遣社員と契約社員の違いとは?】で解説しているので参考にしてくださいね。
契約社員よりも派遣社員が向いている人もいますか?
契約社員と派遣社員の大きな違いは2つです。
- 雇用主が就業先企業か否か
- 自分で仕事を探さなければならばいか否か
自分で仕事を探すことや条件交渉が苦手な人は派遣社員のほうが向いています。
契約社員はデメリットしかない7つの実態と向いている人の特徴まとめ
まとめ
- 責任の大きな仕事をしたくない人は契約社員がおすすめ
- 正社員登用の可能性がある企業は契約社員がおすすめ
- 人間関係で悩みたくない人は契約社員が働きやすい
- 長期間を安定して働きたい人は正社員がおすすめ
- 企業との交渉が苦手な人は派遣社員がおすすめ