無期雇用派遣とは

無期雇用派遣デメリットしかない?後悔する5つの理由とは

無期雇用派遣で働いて、条件が悪化して収入が下がったら最悪ですよね。

さらに、短期離職になったら職歴にキズがついて、転職のハードルが上がってしまう可能性もあります。

結論、無期雇用派遣は雇用が約束されているため、安定して働きたい人にはおすすめです。

ただし、無期雇用派遣は雇用確保が目的なので、あなたが望む経験を積めない可能性があるため注意が必要です。

デメリットをきちんと読んで、あなたが重視することが叶えられるのかどうか確認してください。

キャリアコンサルタントが解説します
なべけん
なべけん

なべけん(田邉健)略歴

  • スタッフサービス人材コーディネーター経験者
  • 累計1,231名以上の雇用創出
  • 無期雇用派遣の配属担当者
  • 国家資格キャリアコンサルタント有資格者
  • キャリア相談実績112名以上

2種類の無期雇用派遣について

無期雇用保険には2種類あり、まずは自分が希望する無期雇用がどちらか確認しましょう。

2種類の無期雇用派遣とは

正社員型(常用型)

正社員型(常用型)無期雇用派遣は、新卒・第二新卒やエンジニア向けに多い働き方です。

派遣会社の正社員あるいは無期雇用社員として雇用されて、派遣先で働きます。

「正社員型」という名称のとおり、給料は固定給でボーナスは年1回あるいは2回の支給がある勤務形態がほとんどですよ。

このような代表的なサービスがあります。

正社員型無期雇用派遣 派遣会社
マイナビキャリレーション マイナビワークス
ファンタブル テンプスタッフ
ミラエール スタッフサービス
キャリアウィンク リクルートスタッフィング
エムシャイン マンパワーグループ
キャリアシード アデコ
代表的な正社員型無期雇用派遣サービス

登録型

条件を満たした派遣スタッフが、一般派遣から無期雇用へ転換する働き方が登録型無期雇用派遣です。

あくまでも登録型派遣のため、給与は時給制で働く条件です。

また、ボーナスも同じく時給に含まれるケースがほとんどです。

正社員型と登録型を比較すると、このような違いがあるということです。

無期雇用派遣 給料 ボーナス 対象者
正社員型 月給制 あり 内定獲得者
登録型 時給制 時給に含む 通算期間5年
正社員型と登録型の無期雇用派遣の違い

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無期雇用派遣はデメリットしかない理由

共通|勤務先や条件が希望で選べない

無期雇用社員になると、仕事紹介は配属指示となります。

そのため、紹介された求人は必ずエントリーしなければなりません。

あなたの希望で、このような条件を選ぶことができません。

無期雇用派遣で選べない条件

  • 業界
  • 勤務地
  • 勤務時間
  • 残業時間
  • シフト制の有無

つまり、平日勤務を希望していたとしても、土日祝日を含むシフト制になる可能性もあります。

また、残業少なめの希望であっても、残業発生がする仕事を紹介される可能性もあるのです。

共通|希望するスキルアップができない

希望で仕事を選ぶことができないため、あなたが望むキャリアアップができない可能性もあります。

たとえば

英語力を生かしたい仕事を希望していたとしても、スキルが入らないデータ入力の求人を紹介されるケースもあります。

すると、次の転職時に、英語の仕事に就職しづらくなってしまいますよね。

このように、自分でキャリア選択をすることができなくなってしまうこともデメリットしかないと言われる理由の1つです。

共通|時給・給料が上がりづらい

正社員型無期雇用派遣では、昇給制度が整備されている派遣会社が多いです。

しかし、昇給のペースが早い口コミはないため、年々給料が上がる働き方ではないことが予想されます。

また、登録型無期雇用派遣では紹介者に時給が下がる可能性もあります。

そのため、年々給料も上げたい人にとってはデメリットしかないと感じてしまうのです。

共通|短期の職歴が多くなる可能性がある

無期雇用派遣で紹介される派遣先は、長期のお仕事とは限りません。

短い職歴ができる理由

  • 1,2ヶ月の期間限定求人を紹介される
  • 企業都合で契約終了になる

すると、職歴が短い勤務が続くため、転職活動では評価されづらくなってしまう可能性も高いです。

将来的に正社員として活躍したい人は、長期間を無期雇用派遣で働くことがオススメではありません

登録型|職種が希望できない

登録型派遣で紹介されるお仕事は、派遣会社が取り扱っている求人です。

そのため、事務職をメインで扱っている派遣会社であれば、このような求人を紹介される可能性があります。

事務職の派遣会社が扱う職種

  • 事務職
  • コールセンター
  • 営業職
  • 販売職
  • 軽作業
  • エンジニア職 など

つまり、事務職の経験があったとしても、コールセンターの仕事が紹介されるかもしれないということなのです。

働きたい仕事が決まっている人は、希望が叶えられないのでおすすめではありません。

正社員型|正社員ではなく転職しづらい

正社員の転職で重視されることが、正社員型の無期雇用だと経験が積めない可能性があります。

転職ではこのようなことを企業は重視しています。

転職で重視される能力・スキル

正社員は幅広い仕事が任されるため、より高いポータブルスキルを求めています。

しかし、正社員型派遣で働くと派遣先企業では「派遣社員」として扱われるため、仕事の裁量が限られてしまうのです。

すると、大きな裁量が求められる正社員の転職では、評価されづらくなってしまう可能性が高いため注意が必要です。

正社員型|給料が高くない

dodaの「平均年収ランキング」によると、事務/アシスタント系の平均年収は【336万円】と公表されています。

一方で、代表的な正社員型派遣の年収は、各社がこのような条件を設定しています。

無期雇用派遣 給料
(東京)
ボーナス 想定年収
(東京)
キャリレーション 20万8,000円〜 10万円・年2回 269万6,000円〜
ファンタブル 20万9,700円〜 10万円・年2回 271万6,4000円〜
ミラエール 20万円〜 14万円・年1回 254万円〜
キャリアウィンク 20万円〜 10万円・年2回 260万円〜
エムシャイン 20万6,000円〜 14万円・年1回 261万2,000円〜
キャリアシード 21万2,000円〜 14万円・年1回 268万4,000円〜
正社員型無期雇用派遣サービス各社の給料とボーナス

正社員型派遣の平均年収264万円と比較すると、72万円もの差があることがわかります。

ただし、未経験で平均年収レベルの正社員転職をするハードルは非常に高いです。

そのため、未経験から事務職を目指すのであれば、正社員型派遣で経験を積んでから転職するのがおすすめですね。

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無期雇用派遣は後悔しないメリット

共通|社会保険に継続加入できる

登録型の一般有機派遣では、派遣先で勤務している期間にのみ社会保険に加入することができます。

そのため、一定期間内に執行決定しないと社会保険の加入から外れてしまい、面倒な手続きが発生してしまいます

また国民健康保険等は負担金額が多いケースもあり、生活が圧迫してしまう人もいますよね。

しかし、無期雇用派遣であれば、派遣先が決まっていない期間にも雇用契約があるため、継続して社会保険に加入することができますよ。

共通|大手企業で働ける可能性が高い

特に正社員型無期雇用派遣では、若手人材を望む大手企業や有名企業で働けるチャンスが非常に多いです。

たとえば、すでに1,400名以上が活躍している「マイナビキャリレーション」であれば、このような企業への配属実績がありますよ。

キャリレーションの配属先の例

  • 雪印メグミルク
  • ちふれ
  • 伊藤忠テクノソリューションズ
  • 三菱食品
  • アサヒ飲料 など

共通|未就業中も就業待機費用がある

通常であれば、派遣社員は派遣先での勤務がない期間には給料が発生しません。

しかし、無期雇用派遣であれば、派遣先が決まっていない期間でも、就業体験費用が発生します

そのため、一般派遣に比べると安定して生活できるメリットがありますね。

登録型|対象者は誰でも転換できる

登録型の無期雇用派遣は、通算雇用期間が5年以上になると誰でも転換することができます。

そして、希望を派遣会社は拒むことができないと法律で定められています。

正社員型|集合研修がある

正社員型派遣は、未経験者向けのサービスで集合研修が用意されているケースがほとんどです。

たとえば、実績トップクラスの「マイナビキャリレーション」では、このような研修が用意されていますよ。

  • ビジネスマナー研修
  • ビジネスコミュニケーション研修
  • OAスキル研修
  • キャリアアップ研修など

集合研修では同じような不安や悩みを抱えている人と関われるため、話し合って悩みの解決方法を見つけることにも繋がりますよ。

正社員型|未経験からでも働ける

無期雇用派遣は未経験であっても転換することができますし、応募できる可能性も高いです。

事務職の経験がない人であっても、有名企業で事務職の経験を詰める可能性もありますよ

またエンジニアの向き雇用派遣であればエンジニア未経験からIT人材になる可能性も高いです

このように未経験から実務経験を詰める事はメリットですね。

正社員型|学歴フィルターがない

無期雇用派遣は学歴が関係なく、高卒であっても、応募できる求人がほとんどです。

また派遣先企業は、大手企業や有名企業などがあり、本来であれば学歴重視されることもあります

このように学歴に自信がない人は働くことができない企業で、経験が詰める事はメリットですね。

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登録型無期雇用派遣と一般派遣の比較

登録型無期派遣・一般派遣の違い

給料の高さ

無期雇用派遣切り替え時の時給が高ければ無期雇用派遣でも高い時給で働けます。

しかし、無期雇用派遣への切り替え時の時給が低いのであれば、一般派遣の方が高い給料がもらえる可能性が高いです。

登録型無期雇用派遣は、無期雇用派遣へ切り替わったときの時給で紹介されます。

たとえば

本来は時給1,500円で案内する求人であっても、前職が時給1,700円であれば時給1,700円で紹介されるということです。

逆に、本来は時給1,700円の求人であっても、前職が時給1,500円であれば時給1,500円で紹介されてしまいます。

そのため、無期雇用へ切り替わるときの時給が高ければ、無期雇用派遣でも給料の高さは担保されます。

ただし、派遣会社によっては次回の仕事紹介時に、時給が下がるケースもあります。

無期雇用派遣担当者に「時給が下がるケースがあるかどうか」をきちんとヒアリングしましょう。

昇給のしやすさ

昇給のしやすさで比較すると、一般派遣のまま働くのがおすすめです。

登録型無期雇用派遣は、時給が上がることはない仕組みを採用している企業が多いです。

また、あたらしい求人を紹介するときに、企業によっては時給を下げて紹介することもあります。

一方で登録型派遣であれば、経験に応じて紹介される時給が異なりますし、昇給する可能性はあります。

雇用の安定性

雇用の安定性で比較すると、登録型無期雇用派遣の方がおすすめです。

無期雇用なので、契約終了してしまっても派遣会社との契約が継続されています。

そのため、もし契約終了後に仕事紹介がされなかったとしても、「待機補償費用」として給料が支払われますよ。

さらに、契約が続いているため派遣会社の社会保険に継続加入することができます。

一方で、一般派遣だと派遣先が契約終了になり次の仕事が紹介されないと、給料ゼロで社会保険も未加入状態になってしまいます。

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正社員型無期雇用派遣と正社員の比較

給料の高さ

給料の高さを重視するのであれば、正社員で働くのがおすすめです。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 表番号9」によると、正社員で働く事務職の平均年収は約501万4,000円と公表されています。

一方で、正社員型無期雇用派遣各社の年収は、募集要項によると260万〜270万円程度です。

無期雇用派遣 給料
(東京)
ボーナス 想定年収
(東京)
キャリレーション 20万8,000円〜 10万円・年2回 269万6,000円〜
ファンタブル 20万9,700円〜 10万円・年2回 271万6,4000円〜
ミラエール 20万円〜 14万円・年1回 254万円〜
キャリアウィンク 20万円〜 10万円・年2回 260万円〜
エムシャイン 20万6,000円〜 14万円・年1回 261万2,000円〜
キャリアシード 21万2,000円〜 14万円・年1回 268万4,000円〜
正社員型無期雇用派遣サービス各社の給料とボーナス

すでに事務職の経験がある人であれば、正社員派遣よりも高い年収を目指せる可能性が高いです。

一方で、事務職の経験がない人は転職するハードルが高いため、年収が希望より低くても経験を積むのがおすすめです。

昇給のしやすさ

昇給のしやすさで選ぶのであれば、正社員の方がおすすめです。

正社員型派遣も昇給制度が整っており、実際に働いた人の昇給した口コミは多数あります。

しかし、正社員型派遣はマネージャー(課長)などの管理職への昇進がありません。

そのため、昇給できる金額が限られているため、大幅な昇給は見込めないのが現状です。

就職のしやすさ

就職のしやすさや、正社員派遣の方がハードルが低いです。

ほとんどの正社員派遣はこのような条件で募集されています。

正社員型派遣の募集要項

  • 高卒以上
  • 新卒入社OK
  • パソコン未経験OK
  • 事務職未経験OK

そのため、学歴に自信がなかったりパソコン経験がなかったりする人でも内定獲得を十分目指せますよ。

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無期雇用派遣で後悔しない対策

働く上で重視していることを考える

人によって働く上で意識する事は様々ですよね。

たとえば、就職活動や転職活動では、このような4つの軸があると言われていますよ。

転職の軸 4P

これらの4つの軸の中で、福利厚生条件以外の優先度が高い人は、無期雇用派遣はデメリットしかないと感じてしまいます。

一方で、福利厚生や条件を重視しており、その条件が無期雇用派遣で満たされるのであれば、自分にはメリットが大きい働き方といえますね。

どのようなスキルを身につけたいか考える

これから長い期間働く間で、どのようなスキルを身に付けたいと考えているのかも考えるべきポイントです。

たとえば、経理の仕事を覚えたいと感じているのであれば、無期雇用派遣だと紹介される可能性が低くなってしまいます

そのため自分の希望で選べる働き方が良いですよね

一方で、 副業でスキルアップしたいと考えている人にとっては、残業時間が少ないため、無期雇用派遣で安定就業をしてプライベートの時間でスキルアップすることもできます。

このように、実務経験を通じて、どのようなスキルが得たいのかを言語化することも、無期雇用派遣はデメリットしかないと言うミスマッチを防ぐきっかけになりますよ

転職エージェントに登録して市場価値を確認する

無期雇用派遣を考えている人の中には、「自分のスキルでは正社員転職ができない」と考えているかもしれません。

そのような人は、転職エージェントに登録して、市場価値判断をすることもお勧めです。

転職エージェントは転職を考えていない人であっても、自分のスキルに応じた仕事の紹介を受けることができます。

つまり今のあなたのスキルで転職するとしたら、どれぐらいの年収を得られるのか、市場価値を見極められると言うことです。

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よくある質問

無期雇用派遣で任される仕事はつまらないですか?

必ずしも単純作業の仕事が任されるということではありません。

ただし、未経験で働くとなると「スキルがいらない単純な仕事」から任される可能性もあります。

無期雇用派遣に限らずに、正社員でもはじめは簡単な仕事を任されることが多いです。

まずは経験を積んでから、希望の仕事にチャレンジするのがおすすめですよ。

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まとめ

登録型 正社員型
メリット
デメリット
無期雇用派遣はデメリットしかない実態まとめ

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  • この記事を書いた人
なべけん

なべけん

【キャリアコンサルタント】新卒でスタッフサービスへ入社し、人材コーディネーターを担当。1,231名以上の就業機会を創出し、就業決定数・生産性ユニット年間MVPを受賞。現在はフリーランス独立し、112名以上のキャリア支援実績あり。【資格】国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19005362)

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